ワークショップ
2009年度 第1回 意思決定班ワークショップ
- 日時
- 2009年5月8日(金) 14:15-17:30
- 場所
- 早稲田大学戸山校舎33号館第一会議室
- 参加人数
- 27人
- 報告概要
このたび、平成21年度第1回意思決定班ワークショップとして、ロシア国立サンクトペテルブルグ大学心理学部より2名の心理学者が早稲田大学で講演した。この会は、早稲田大学との共催で開催した。サンクトペテルブルグ大学は、条件反射で有名なパブロフが教鞭をとっていた大学であり、メドヴェージェフ大統領、プーチン首相の出身大学でもあり、現在心理学部だけでも約250名の専任教員と約500名の研究スタッフがいる。あまり日本とは交流のないロシア心理学の現状や英才児の心理発達と意思決定についてお話いただき、意見交換を行なった。
14:15-15:45 ロシア心理学の現状 Larisa Tsvetkova氏(ロシア国立サンクトペテルブルグ大学心理学部長 教授 ロシア心理学会副会長
ロシア語による講演であり、日本語の通訳がついた。パブロフ、ヴィゴツキー、ツァイガルニックなどのロシアの心理学の歴史に始まり、あまり日本には知られていない、1980年代、1990年代、2000年代のロシアの心理学の現状について報告があった。生理、認知、判断、意思決定、社会的相互作用についての研究についての紹介があった。質疑時間では、アメリカの心理学との交流やロシア心理学の現況についての質問やそれに対する応答があった。
16:00-17:30 英才児の心理発達と意思決定 Yuri Gatanov氏(ロシア国立サンクトペテルブルグ大学心理学副学部長 教授 )
ロシア語による講演であり、日本語の通訳がついた。英才児教育の観点から英才児の発達と意思決定につていの研究報告があった。英才児研究についてはロシアは長い歴史を持っている。英才児は、アインシュタインのような天才にみられる創造性を期待して、ロシアでは集中的に教育されている。高度の創造性は、遊びの中で育成されることが、遊びと創造性の関係の分析からわかっている。本講演では、遊びと創造性の問題、文化の問題、英才児の意思決定の特徴などについて話がなされた。質疑の時間には、、英才児の出現や創造的行為と社会体制とが関係あるかどうかという質問が出たが、これまでの彼らの研究によるとはほとんど関係がないことがわかっているということである。彼らは、英才児の育成や創造性の育成にあたっては、むしろ民主性が独裁性か共産制などかというような問題は、あまり重要ではないと答えた。
18:30-懇親会 高田馬場にて開催した。