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2011年度 第1回 意思決定班ワークショップ

日時
2011年9月15日(木) 15:00~17:00
場所
日本大学文理学部3306会議室
参加人数
45名

 

報告概要
 

このワークショップは、日本心理学会での学会ワークショップと共催した。このワークショップでは、ハト、ラット、ヒトの選好や選択行動を含めた意思決定過程を微視的に分析して、より単純な行動論的仮定から非常に複雑にみえるヒトの意思決定現象を説明できるかどうかという問題を検討した。まず、井垣竹晴氏は、選択行動をはじめとする行動分析学で蓄積されてきたハトやラットの実験データをもとに、意思決定の微視的分析の展開を述べた。次に、竹澤正哲氏は、ヒトの選択ヒューリティクスのマイクロ・マクロ・ダイナミックスを集団意思決定を例として分析した知見を報告した。竹村和久氏は、ヒトの選好形成過程の眼球運動測定などによる微視的分析を通じて、選好形成と選択の関係がどのようになっているのかについての実験的知見を報告した。最後に、藤井聡氏は、ヒトの選好形成過程の社会実験や社会調査を通じて、選好と社会的意思決定の関係についての知見を報告した。これらの話題提供をもとに、意思決定の微視的過程についての統一的知見が得られるかについての議論を行った。今回のワークショップは、日本心理学会大会でのワークショップで開催された。

意思決定過程のマイクロ分析―ハトからヒトの行動まで―
企画者 早稲田大学     竹村 和久
企画者 慶應義塾大学    坂上 貴之
企画者 京都大学大学院   藤井 聡
司会者 慶應義塾大学    坂上 貴之
話題提供者 東京女学館大学 井垣 竹晴  選択行動の微視的分析
話題提供者 上智大学    竹澤 正哲 ヒューリスティクスのマイクロ・マクロ・     ダイナミックス-集団意思決定を例として
話題提供者 早稲田大学   竹村 和久 選好形成の微視的分析
話題提供者 京都大学大学院 藤井 聡  選好形成と社会的意思決定

1.司会とイントロダクション 坂上貴之(慶應義塾大学)
今回のワークショップの目的と意思決定過程のマイイクロ分析研究の意義について解説が行われた。



 

2.選択行動の微視的分析 井垣 竹晴 (東京女学館大学)
井垣竹晴氏は、選択行動をはじめとする行動分析学で蓄積されてきたハトやラットの実験データをもとに、意思決定の微視的分析の展開を述べた。特に、マッチング法則などの微視的分析でも重要となる知見とその理論的説明について検討を行った。



3.ヒューリスティクスのマイクロ・マクロ・ダイナミックス-集団意思決定を例として 竹澤正哲(上智大学)
竹澤正哲氏は、ヒトの選択ヒューリティクスのマイクロ・マクロ・ダイナミックスを集団意思決定を例として分析した知見を報告した。特に、集団意思決定が、正確になる条件を、計算機シミュレーションや実験を通じて考察を行った。



 4. 選好形成の微視的分析 竹村和久(早稲田大学)
竹村和久氏は、ヒトの選好形成過程の眼球運動測定などによる微視的分析を通じて、選好形成と選択の関係がどのようになっているのかについての実験的知見を報告した。特に、注目と意思決定についてのモデル、選好形成過程についての一連の心理実験について報告を行い、選好形成についての検討を行った。




5.選好形成と社会的意思決定 藤井聡(京都大学)
藤井聡氏は、ヒトの選好形成過程の社会実験や社会調査を通じて、選好と社会的意思決定の関係についての知見を報告した。特に、ハトやラットの動物、類人猿、ヒトの意思決定の共通点と相違点について考察し、社会的意思決定において、どのような点で研究を行うべきかについての理論的考察を行った。




6.総合討論 坂上貴之(慶應義塾大学)
これまでの心理学の流れを展望して、選好の形成について考察を行い、意思決定の微視的分析について、話題提供者との意見交換を行った。最後に、ワークショップ参加者との討論が行われた。


 

 

大阪大学社会経済研究所 西條研究室 Tel:06-6879-8582 Mail:secsaijo@gmail.com