東京大学工学部卒、Ph.D.,(プリストン大学(米国))
[専門分野]
ゲーム理論、メカニズムデザイン
(1)私の研究対象の1つめは外部性の下での企業の行動です。
外部性とは人々の経済活動が相互に正または負の影響を与えるような状況です。
例えばある人が特定のSNSサービスを利用すれば同じSNSサービスの利用者の効用を増加し、ある人が予防接種を受ければ周囲の人の感染リスクを下げるでしょう。このような正の外部性のある財を企業が独占的、あるいは競争的に供給するときの帰結が理論研究の対象です。
(2)理論研究の対象の2つ目は最適な情報開示についてです。
例えば政府は地震や豪雨など災害に対する備えを国民に勧めると同時に、災害予知の研究に基づき災害が予想されるときにその情報を開示します。人々の備え行動を促すためにはどのような予知精度のもとで情報を開示するのが最適でしょうか?
(3)研究対象の3つ目は人々が他者の戦略的な行動をどのように認識するかについてです。
人々の行動は確率の計算が困難な不確実性にあふれています。例えば地球温暖化予測の不確実性は自然科学的な面のみならず、各国の戦略的行動による面が大きいでしょう。そのように不確実な戦略的行動に対する人々の認識は確率の法則を満たしているでしょうか?この問題を経済実験を用いて調べています。