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准教授
Lianming Zhu 朱 連明

博士 (経済学)(横浜国立大学)

[専門分野]
国際貿易、中国経済、応用計量経済学

 
近年の研究テーマ
(1) 貿易・投資政策が企業、労働者に与える影響の研究
(2) 地域ベースの政策が企業、地域発展に与える影響の研究
(3) 日本企業のグローバル化に関する実証分析

政策の有効性を検証し、エビデンスに基づく政策形成(EBPM)の根幹をなす政策評価に関する研究をしている。具体的には、貿易・投資政策、地域振興政策、法人税制などの産業・企業政策の効果分析を進めている。これまでの政策評価研究の事例の一部を紹介する。

(1)直接投資促進政策の効果分析――多くの発展途上国は、先進国や国際機関から外国直接投資に対する規制を解除するようにと助言されてきた。そこで、外国直接投資の技術・知識のスピルオーバー効果があるかを厳密に検証した。分析の結果、国内企業が海外の多国籍企業からそれほど大きな利益を得ていなかったことが分かった。研究を通じて、途上国における対外政策の意思決定に対して有力なエビデンスを提供することができた。

(2)地域ベースの政策の効果分析――発展途上国の地域開発政策の効果とそのメカニズムの研究である。経済成長及び地域発展を目標とする地方政府にとって、経済特区の設置は非常に魅力的な地域開発政策の一つである。この研究を通じて、中国における地域開発政策を対象に、制度の改善によって、経済特区からの純利益が大幅に伸びたことを明らかにした。これらの研究によって、地域開発政策が新興市場に成長の機会をもたらすことができ、不可欠な政策ツールであるということが言えた。

図1: 直接投資促進政策が企業の生産性に与えた効果



図2: 中国の地域ベースの政策の進展(1984-2006年)


注: 赤でマークされた領域は、地域ベースの政策が実施されている県を示している。

主要業績