第18回シンポジウム行動経済学研究センターは無事終了いたしました。
多数の皆様にご参加いただきまして、どうもありがとうございました。
なお、シンポジウム内容の公開や講演資料の配布はしておりません。ご了承ください。



大阪大学社会経済研究所 第18回行動経済学研究センターシンポジウム(オンライン開催)

本シンポジウムは、従来の経済学とは異なる行動経済学研究の知見を社会に還元すべく、大阪大学社会経済研究所が開催している一般参加者向けのイベントです。 今年のテーマは、

行動変容を促す:コロナ禍の1年半と今後の展望

昨年からのコロナ禍、社会では、人々の「行動変容」を促す様々な取組みが試されてきました。
例えば、スーパーのレジ前での立ち位置マーク、オンライン帰省の呼びかけ、また、より最近では、ワクチン接種を促すメッセージ等です。
これら行動変容を促す「仕掛け」や「ナッジ」は、これまでも災害避難の促進やポイ捨て防止に活用されてきましたが、コロナ禍でいっそうの注目を集めるようになりました。
我々はこれらに関して、この一年半で何を学び、そしてその経験を活かして未来をどのように変えていくことができるのでしょうか。

今回のシンポジウムでは、「仕掛け」や「ナッジ」の専門家および行政の実務担当者をお招きし、具体例に基づいた効果の検証や政策として実現する際に直面する課題等をお伺いしながら、行動経済学的知見を社会でより一層役立てていくにあたっての今後の展望を考えていきます。

概要


プログラム

第1部 18:30 ~ 19:50
講演 (25分)「コロナ対策の行動経済学」
大竹 文雄 (大阪大学感染症総合教育研究拠点 特任教授(常勤)・同大学大学院経済学研究科(兼任))
講演 (25分)「そそる仕掛け〜行動の選択肢の魅せ方」
松村 真宏 (大阪大学大学院経済学研究科 教授)
講演 (25分)「ナッジの可能性~地方行政とナッジ」
髙橋 勇太 (横浜市行動デザインチーム「YBiT」代表、NPO法人PolicyGarage理事、横浜市職員、保健師)
司会 花木 伸行 (大阪大学社会経済研究所 教授、行動経済学センター長)
休憩
第2部 20:00 ~ 20:30
質疑応答、討論  
司会:            花木 伸行  
パネリスト:   大竹 文雄
                   松村 真宏
                   髙橋 勇太

参加お申し込み


講演者・討論者


大竹 文雄 (おおたけ ふみお) 大阪大学感染症総合教育研究拠点 特任教授(常勤)・同大学大学院経済学研究科(兼任)

1961年京都府生まれ。京都大学経済学部卒業。大阪大学経済学研究科修了。博士(経済学)。
1985年大阪大学経済学部助手、同大学社会経済研究所教授、同大学大学院経済学研究科教授等を経て、2021年4月から同大学感染症総合教育研究拠点特任教授(同大学大学院経済学研究科を兼任)。

専門は、行動経済学、労働経済学。2020年3月19日から、新型コロナウイルス感染症専門家会議に参加し、同5月より新型インフルエンザ等対策有識者会議構成員を経て、2021年4月より新型インフルエンザ等対策推進会議委員。コロナ禍で行動変容を促す「ナッジ」をメディアでも数多く発信している。著書に『日本の不平等~格差社会の幻想と未来』(サントリー学芸賞、日経・経済図書文化賞、エコノミスト賞、日本学士院賞受賞)、『競争社会の歩き方~自分の「強み」を見つけるには』、『医療現場の行動経済学~すれ違う医者と患者』(共著)、『行動経済学の使い方』などがある。

毎日、片道35分の自転車通勤で季節の移り変わりを感じている。

松村 真宏(まつむら なおひろ) 大阪大学大学院経済学研究科 教授

1975年大阪府生まれ。 大阪大学基礎工学部卒業。東京大学大学院工学系研究科修了。博士(工学)。
2004年大阪大学大学院経済学研究科講師、2007年同大学院准教授を経て2017年4月より現職。2004年イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校客員研究員,2012年〜2013年スタンフォード大学客員研究員。

自覚的な行動変容を促す仕掛けの体系的な理解を目指す「仕掛学」の創始者。
仕掛けによる行動変容理論の構築と科学的証拠の蓄積、企業との共同研究による仕掛けの社会実装、また小中高校生への教育・普及活動に従事している。 著書に『仕掛学~人を動かすアイデアのつくり方』、『人を動かす「仕掛け」』、『毎日がたのしくなる!まほうのしかけ〜しかけは世界を変える』などがある。 仕掛学を社会に広める仕掛けを常に考えている。

目下の趣味はベランピングとフィットボクシング。

髙橋 勇太(たかはし ゆうた) 横浜市行動デザインチーム「YBiT」代表、NPO法人PolicyGarage理事、横浜市職員、保健師

1985年神奈川県生まれ。京都大学医学部保健学科卒業。聖路加国際大学大学院修了。修士(看護学)。2010年横浜市に就職し、現在に至る。

2019年、専門や所属の異なる横浜市有志職員で横浜市行動デザインチーム「YBiT」を発足。国内自治体初のナッジ・ユニットとして、「ナッジ理論」を行政の現場で活用するための普及啓発や全国での情報シェア・連携に取り組む。 健康・福祉、市民生活、環境等のあらゆる行政サービスへの業務改善提案を行い、市民サービスの向上に幅広く貢献。2021年には、ナッジ理論とデザイン思考を駆使して、地方自治体から政策を変えることを目指すNPO法人PolicyGarageの発足に携わる。 「地方自治体における政策ナッジの実装」に関する論文執筆や医学書院「保健師ジャーナル」で連載を行う等、精力的に発信している。

ここ数年365日ナッジのことを考えていたが、最近は距離を置くようにしている。休日は電動自転車を駆使し、子供を連れて、近所の海でハゼを釣ったり、ゲリラBBQを行う。

花木 伸行(はなき のぶゆき)大阪大学社会経済研究所 教授、行動経済学センター長

1971年大阪府生まれ。筑波大学国際関係学類卒業。米国コロンビア大学大学院修了。博士号(経済学)。2003年筑波大学専任講師、仏エクス-マルセイユ大学教授、仏ニース大学教授等を経て2019年より現職。2020年4月から行動経済学研究センター長を務める。

専門は、実験・行動経済学。研究テーマは「限定合理的な意思決定主体の相互作用のマクロ経済学的な含意」等。近年は、持続可能な社会の構築に貢献するべく、西條辰義氏らが提唱する「フューチャーデザイン」の基礎的な実験研究にも取り組む。

趣味は料理。簡単でも美味しい料理は家族にも大好評。オンとオフの切り替えを信条とする。

備考・注意事項