2023年度 KSAC PBL プログラム
2023年度 KSAC PBL プログラム
ナッジを活用して
スマートに社会の課題を解決!
ナッジとは行動経済学の知見から、個人の選択の自由を阻害することなく、各自がより良い選択を行う手助けをする仕組みの事です。このプログラムでは、ナッジ設計過程であるBASICの理解から、実際の社会課題に対してBASICをもとにナッジを構築、さらにその効果検証を行うまでの一連の過程を実体験することができます。
■講師
花木 伸行
(社会経済研究所 教授)
学術研究では、実験経済学の手法を用いて、「これまで実験・行動経済学がミクロレベルで明らかにしてきた人間の限定合理的な行動のマクロ経済学的な含意は何か?」という問いに応えることを中心に研究を進めています。
大竹 文雄
(CiDER 特任教授)
行動経済学の政策への応用研究を中心に研究をしています。具体的には、災害時の避難、風しんの抗体検査受検、感染予防行動、ワクチン接種などを促進するよびかけメッセージの効果検証を行っています。
佐々木 周作
(CiDER 特任准教授)
自治体や企業と一緒に社会のなかで実験する「フィールド実験」という手法を使って、金銭寄付や感染対策などの「協力行動」を研究しています。研究仲間・実践仲間を歓迎します。
■講義内容
第1回
10/7
(土)
オンデマンドのビデオ講義+
双方向のビデオ講義によるオリエンテーション
オンデマンドのビデオ講義
行動経済学の基礎
事例の紹介
オリエンテーション
第2回
10/14
(土)
オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習
行動プロセスマップの作成と行動分析
第3回
10/21
(土)
オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習
ナッジの設計
第4回
10/28
(土)
オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習
ナッジの再現性
第5回
11/11
(土)
オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習
RCTの設計
第6回
11/18
(土)
オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習
データ分析
第7回
11/25
(土)
学生発表(自ら設計したナッジを発表)
最終課題として履修生が設計したナッジを発表してもらう
講義題目 | ナッジと公共政策 |
開講言語 | 日本語 |
授業形態 | 演習 |
担当教員 | 社研 花木伸行、CiDER 大竹文雄 佐々木周作 |
授業の目的と概要 | 行動経済学の知見に基づき、人々の行動変容を促すような仕組み(ナッジ)を作成しその効果を検証する一連の工程を理解する。その上で、与えられた課題を達成できるようなナッジを構築し、効果検証ができるようになる。 |
学習目標 | ナッジ設計過程であるBASICを理解し、それに沿ってナッジを構築し、その効果を検証できるようになる。 |
履修条件、受講条件 | 大学院生および学部生で、行動経済学の講義を履修し終える等の条件を満たしたもの。 |
授業計画 (合計7回、毎回2時限分。) 最終回は3時限分 (合計7回、 毎回2時限分。) 最終回は3時限分 |
第1回:(a)行動経済学の基礎(オンデマンドのビデオ講義) ナッジの基礎となる人々の行動経済学的特性およびナッジ設計過程であるBASICを理解する (b) 事例の紹介(オンデマンドのビデオ講義) 実際に構築されたナッジの例をいくつか紹介する。 (c) オリエンテーション: 双方向のビデオ講義。 グループ分け。課題の発表と課題割り当て。 第2回:行動プロセスマップの作成と行動分析 (オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習) 検診の案内を受け取ってから受信するまでのプロセスなど、複数の行動に至るまでの一連の行動プロセスを可視化し、それぞれのステップで発生しうる行動バイアスを理解し、ボトルネックを明らかにする。 第3回:ナッジの設計 (オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習) 第2回で明らかにしたボトルネックを解決するようなナッジを設計する。その際、EASTおよび、倫理面でのチェックリストを確認しながら設計する 第4回:ナッジの再現性 (オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習) ナッジの再現性に関しての昨今の議論を紹介し、RCTの重要性を考える。また、第3回設計されたナッジの発表を行う 第5回:RCTの設計 (オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習) 第3回と第4回で設計したナッジの効果検証をするためには、どのようなRCTを計画して実施するべきなのかを考え、RCTを計画する。 第6回:データ分析 (オンデマンドのビデオ講義+双方向の演習) すでに実施されたRCTのデータを用いて、エクセルを用いたデータ分析のスキルを学ぶ。 第7回:学生発表 (自ら設計したナッジを発表。3時限分の講義) 最終課題として履修生が設計したナッジを発表してもらう。 |
授業外における学習 | それぞれの授業前に、対応するオンデマンドのビデオ講義を視聴し、理解度確認テストに回答する。 毎週出される課題をグループで進める |
教科書、教材 | 特になし |
参考文献 | 大竹文雄(2019)行動経済学の使い方 岩波新書 大竹文雄(2022)あなたを変える行動経済学 東京書籍 |
成績評価 | 2回から6回までの授業参加(60%、講義中のグループワークの発表を含む)に加え、第7回での発表(40%)に基づいて評価する。 |
特記事項 | オンライン講義 土曜日午前中開講 |
開講予定日 | 10月から、大学祭(11月4日)を除いた毎週土曜日 10月7日 第1回 10月14日 第2回 10月21日 第3回 10月28日 第4回 11月11日 第5回 11月18日 第6回 11月25日 第7回 |
2023年12月9日(土)~11日(月)
12月9日(土)、10日(日)、高知工科大学永国寺キャンパスにて開催された第17回行動経済学会に参加し知見を広めました。
11日(月)には高知県庁職員のみなさまに上位3チームのプレゼンテーションを行い、官学共創について意見交換をしました。
「固定資産税通知へのチラシ同封による空き家対策促進ナッジ」(発表者:今道尊人、小山寛貴)
「CFP商品の利用促進ナッジ」(発表者:山崎泰世、梁梓豪)
「ゲーム要素のある看板およびフィードバックによるナッジ介入」(発表者:小笠原亮)