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ご挨拶 概要 メンバー プロジェクト 研究会 イベント dp 学生の支援 関連記事 21世紀COE
拠点形成計画の概要

本研究拠点は、経済実験・アンケートといった新しい研究手法の利用と脳科学・心理学・社会学等の他分野の研究と伝統的な経済学との融合によって、現実の人間行動をもとに社会経済のダイナミクスを明らかにし、現代の経済問題の解決方法を提示するとともに、若手研究者を育成することを目的としています。伝統的な経済学は、人々が合理的に行動することを前提にして、家計行動や企業行動の説明、市場の効率性の分析、様々な社会経済現象の説明に成功し、経済政策の指針を提供してきました。しかし、近年その限界も明らかになってきたのも事実です。例えば、不況、バブルの発生と崩壊、多重債務者問題、環境問題、経済格差と不安感といった問題は伝統的経済学では十分に説明できていません。

このような伝統的経済学の弱点を補完するのが、現実の人間の行動特性を前提として経済学の再構築を試みている行動経済学です。大阪大学経済学研究科・社会経済研究所は、21世紀COEにおいて、経済実験やアンケート調査をもとにした行動経済学の教育・研究拠点を形成してきました。また、エール大学、ミシガン大学、香港科学技術大学、復旦大学等との国際共同研究を推進してきました。その成果は、国際的水準の研究、政策提言、行動経済学会の発足(2007年)、行動経済学の若手研究者の育成として結実し、平成17年度の中間評価でも5段階評価の最高レベルの評価を受けました。

グローバルCOEにおいては、21世紀COEを次のような観点で発展させます。第1に、人間行動に関する基礎理解をさらに深めます。第2に、社会経済問題への応用分析を進めます。第3に、経済実験やアンケート調査を主体とした国際比較研究および国際共同研究を推進します。第4に、生命機能・医学系研究科等の自然科学系の研究者とのfMRIや双生児データを用いた神経経済学を始めとする学融合的研究を推進します。第5に、若手研究者育成を更に強化します。大学院教育では経済学のコア科目を中心としたカリキュラムに基づいた基礎力の上で、英語での国際的なレベルの研究論文の執筆・発表能力を身につけさせます。経済学の研究に必要な共通の技術を身につけることで、若手研究者は将来様々な分野に進んでいけます。こうして変化する社会経済問題の解決に貢献できる研究者が育成されます。