「ナッジと公共政策」特別公開ワークショップ2025 レポート


2025年3月16日(日)、大阪大学中之島センターにて、大阪大学の名物講義「ナッジと公共政策」の特別公開ワークショップが実施されました。
当日は、高校生、大学生、行政職員など100名以上が参加。この日、会場付近では大阪万博駅伝が行われるなど、小雨の中にも熱気あふれる雰囲気の中で開催されました。



今回のイベントは、行動経済学の知見を社会課題の解決に活かす「ナッジと公共政策」をテーマに、成果報告会、自治体ナッジ・ユニットによるライトニングトーク、自治体や学生によるポスター発表、そして体験ワークショップを通じて学びや交流を深める場となりました。

それでは、当日の様子を写真とともに振り返っていきましょう!






第1部 成果報告会




最初のプログラムは、「ナッジと公共政策」の講義の成果報告会です。


2023年度、2024年度の講義に参加していただいた3つの自治体と政策課題に取り組んだ学生からの発表がありました。


はじめに、大阪府危機管理室の城田さんから、南海トラフ地震による津波早期避難を促すという政策課題を説明。学生代表の神橋さんから、避難先を素早く調べられる大阪防災アプリのダウンロードを促すため、動画を作成。行動経済学的知見とユーモアを取り入れて学生が作成した15秒の動画3種類を実際に放映し、その効果検証結果を紹介。会場では笑いが起こる一幕も。


             


次に、尼崎市の江上さんからは、尼崎市の個人住民税などの納付率向上について、背景や課題を説明。学生代表の羽根さんから、利便性の高いスマホ決済の利用を促すため、送付用の封筒、封入物、決済方法を紹介するウェブサイトの総合的な改善案を提案。

            


  


最後に、高知県空き家対策チームの佐々井さんからは、2023年度に取り組んだ空き家対策ナッジを実装してわかった課題や今後の方向性について紹介されました。
その後のパネルディスカッションでは、フロアからの質問も含めて活発な議論が行われました。


ナッジを取り入れてよかった点、調整に苦労した点などを率直に意見交換。それぞれのテーマや立場においての実践者のお話に、参加者の皆さんも学ぶ点が多かったようです。












第2部 自治体ナッジ・ユニット ライトニングトーク



昼休みを挟んで行われたライトニングトークは、北は北海道から西は岡山まで、全国から8つの自治体ナッジ・ユニットが一堂に会し、それぞれの取り組みを紹介。
ッジ・ユニットの成り立ちや形態はそれぞれで、公式な組織の一部として位置付けられているところもあれば、有志が時間外に活動したり、中にはNPO法人化しているところも。




取り組み分野についても、特定の政策分野に特化したところもあれば、自治体政策全般を取り組むところも。テーマは納税、防災、環境、健康、公衆衛生、地域政策などさまざまです。
共通しているのは、行動経済学の知見を活用して政策をより良くしたいという熱意。やりがいや楽しみ、難しさや苦労なども含め、ここでしか聞けない話をしていただきました。










第3部 ポスター発表




続いて行われたポスター発表では、自治体15組、学生6組がそれぞれの取り組みを発表しました。
会場では来場者による投票も行われ、得票数の多かった発表が優秀賞として表彰されました。


ここでは、特別に当日発表された一部のポスターをご覧いただけます。



     
     
     



















北の大地にワクワクと熱源を。―北海道行動デザインチーム
の挑戦―
ナッジで自治体をアップデート!  ―宮城県における取組と学び―
公式ユニット・つくばナッジ勉強会の挑戦





自治体における「ナッジ」と「ナッジユニット」の価値について―YBiTの取組を通じて―
大阪府におけるナッジ活用の取組み
尼崎市のナッジ  ―自主活動から組織のナレッジへ―
環境負荷低減に向けたナッジ介入事例






指定難病更新申請の早期提出を促すナッジ
大腸がん検診受診率向上のための複数のナッ
ジによる行動変容効果の比較検証
ナッジを活用した自転車ヘルメット着用の促進
駅エスカレーターでの盗撮対策のための鏡の設置: 京都府下の複数鉄道駅での効果検証










第4部 ミニワークショップ 〜 みんなで実践!  


講演やディスカッションを聞くだけでなく、実際にナッジづくりを体験できるワークショップも開催されました。
まずは、大阪大学の大竹文雄先生からのミニレクチャー。行動経済学の基礎的な考え方、ナッジの作り方、実際に使われたナッジメッセージの例まで短時間ながら充実した内容をご紹介しました。




次に、グループワークの課題提供をしてくださったのは尼崎市の江上さん。テーマは「2歳児歯科検診の受診率向上」。こどもの歯の生え始めの時期に重要な検診であるため、より多くの親子に受けてほしいが、受診率が伸びていないことを説明。その後のグループワークでは、チームごとに上記の課題に取り組み、最後には発表も。高校生、大学生と行政職員がそれぞれ真剣に考え、実践を通じて学びを深める機会になりました。



     
     
     















                                    




参加者の声



イベント終了後、参加者の皆さんからたくさんの感想をいただきました!  

 「ナッジの熱量に驚きました」

 「大阪大学でのナッジと公共政策のプログラムを、網羅的に擬似体験させていただく貴重な機会でした。参加させていただくことができ、ありがとうございました」

 「ナッジが色んなところで活用されていることを知ることができてよかったです」

 「今回学んだナッジをもとに将来自分でもナッジを考えられたらいいなと思いました」

 「座学、発表者に直接質問できる時間、ワークショップなど、多様なプログラムがあり、大変有意義だった」

 「堅苦しくなく楽しく参加することが出来て良かったです。色んな人の話を聞くことが出来て楽しかったです」

 「継続開催を期待します」


「ナッジと公共政策」は、2025年度の開講も決定!これからの取り組みにもぜひご期待ください!                     

 (文責:ポリシーナッジデザイン合同会社 植竹香織)