大阪大学 社会経済研究所
Institute of Social and Economic Research
日本語での研究紹介
「近似」期待効用理論による選択データの合理化
原題: Approximate Expected Utility Rationalization
著者: Federico Echenique, 今井泰佑, 齊藤紘多
Accepted for publication in Journal of the European Economic Association
期待効用理論（expected utility theory）はリスク・不確実性下の意思決定における標準的な理論モデルであるが，これまでの実証・実験研究は実際の人々の行動が理論から乖離することを示してきた．本研究は期待効用の理論的制約を緩めた「近似」期待効用理論を提示し，観察された選択データが期待効用理論からどの程度乖離しているかを測定する手法を開発した．この手法を既存の大規模オンライン実験のデータに応用することで，理論からの乖離度合いが被験者の年齢や認知能力などの特性と相関していることが示された．
（作成）今井泰佑