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事業実績
研究領域内の研究の年度毎の進展状況及びこれまでの研究成果
この三年余りの期間において,各班で,各班固有の問題意識のもと,数多くの実験・理論研究がなされている.従来の社会科学の各分野が人間行動および社会の振る舞いの一側面しかみていなかったという意味合いにおいて「群盲象評」状況を呈していたのに対し,本特定領域の研究では,様々な実験手法を通じて,人間行動および社会の振る舞いを多面的にみることが可能になり,新たな社会科学のあり方とその発展方向を問い始めている.
各班ないしは各分野に温度差はあるものの,分野における核となる部分の妥当性を確認しつつ,その分野で十分に説明できない部分が他の分野との深いつながりがあることを発見しつつある.つまり,各分野における「アノマリー」の発見に終始しているのではなく,分析できる部分とできない部分の切り分けを着実に行い,できない部分を他分野の核となる部分と連関させ始めている.この意味で,本特定領域は,実験研究を通じて,社会科学の各分野に依拠しつつも,それらが統合できる可能性を見いだしつつあり,変化する社会の制度設計のための新たな分野に発展しつつあるといってよい.以下,各班における研究の年度ごとの進展状況およびこれまでの研究成果を要約しよう.